本の紹介

本の紹介


 地球の衛星であり、人類が訪れたことのある唯一の天体である「月」。表面は岩石ばかりの不毛の地だと知っていても、夜空に浮かび満ち欠けを繰り返す姿はうっとりするほど美しく、心が惹かれます。
  2011年、日本では6月16日と12月10日の2回皆既月食を見る機会があります。「月食」とは地球と太陽の間に月が入り、地球の影によって月が欠けて見える現象です。地球の影に月がすべて入る場合を「皆既月食」と言います。月食は肉眼でも見ることができますが、双眼鏡や天体望遠鏡を用いるともっと楽しむことができます。
  古来より人類は月に憧れ、恐れ、好奇心など様々な感情を抱いてきました。そこからは多くの伝承や物語が生まれ、現代の生活に根付いています。今回はそんな月について、さまざまな視点から書かれた本を3冊紹介します。


 大全とは「その物事に関するものを漏れなく編集した書物」(広辞苑第五版)のことです。本書はその名にふさわしく、月に関する神話や伝説、科学的な事象など古今東西の月にまつわるあらゆる話題を扱っています。たとえば満月の下で悟りを開いたとされるブッダの話。あるいは満月の光を浴びて狼男になってしまう話。イギリスでは月によって狂うと考えられる「月狂病(ルナシィ)」の人のための「月狂条例」という法律が実際に定められています。
  科学が発達した現代においても、月には何かあるのではと思わせる神秘性があります。ふんだんに盛り込まれている写真や図版を眺めているうちに、月の魅力に囚われてしまうかもしれません。とにかく月について知りたいという人にお勧めの一冊です。


 みなさんは月を題材にした作品というと何を思い浮かべますか?かぐや姫のお話を小さな頃に絵本で読んだ、あるいは中学校の古典の時間に「竹取物語」を勉強したという方は多いかと思います。ですが、原文をすべて読んだことがある方はほとんどいないのではないでしょうか。
新潮日本古典集成では現代語訳や省略された主語が原文の横に補われているため、古典は苦手という方でも読みやすいテキストになっています。また、本文は80ページほどと短く、あらすじを知っていればさらに理解しやすくなっています。
 インターネット上の貴重書の画像データベースやデジタルライブラリーなどでは色鮮やかな絵巻物が公開されていますので、そちらも一見の価値があります。


 人類の宇宙進出は上空からの地球観測、地球に最も近い天体である月を目指すところから始まりました。本書では1959年に世界で初めて打ち上げられた人工衛星から始まり、昨年話題となった「はやぶさ」や現在金星に向かっている「あかつき」をはじめとした21世紀の宇宙探査にも触れています。時系列にそって説明が進むため、各国が競い、時には協力して宇宙に挑んできた歴史が理解しやすくなっています。また、現在わかっている太陽系の天体に関する知識についてもまとめられています。
  長年の探査によってさまざまな情報がもたらされた月であっても、まだ多くの謎や可能性が秘められています。本書を太陽系の入門書として、広大な宇宙に思いを馳せてみませんか。

 


 

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