2010年は西暦を4で割って2余る年。すなわち冬季オリンピックが開催される年です。ちなみに夏季オリンピックは4で割り切れる年に開催されます。みなさん、ご存知でしたか？
  2月12日から28日まで第21回冬季オリンピックがカナダのバンクーバーで行われます。7競技86種目の競技が行われますが、中には馴染みのない競技もあるかもしれません。しかしそれぞれにドラマがあり、みなさんに多くの感動を与えてくれるはずです。テレビを見て、あるいは現地まで応援に行って、オリンピックを楽しんではいかがでしょうか。




　紀元前776年に開催されたという最初の古代オリンピックは、それから1200年の間、一度も中断されませんでした。また、様式も当初から完成度が高く、紀元前470年ごろに主な輪郭が固まって以来、基本的な5日間の日程はほとんど変わらなかったといいます。
　本書では選手や観客らオリンピックのために集まった人々の様子が、愉快なエピソードと共に紹介されています。ページをめくるごとに、当時にタイムスリップしたかのように古代オリンピックの世界を楽しむことができます。現在のオリンピックとはちがう面白さがある古代のオリンピックを、本書を読めば体験することができます。
　　


　10年以上オリンピックを取材してきた筆者は、華やかなイメージとはかけ離れたオリンピックの裏側を見てきています。そんな舞台裏の観点からオリンピックの姿を時間軸に沿って浮き彫りにしようと読売新聞に掲載された連載「オリンピック物語」を再録したものが本書です。
  古代オリンピックの様子はどうだったか。近代オリンピックがどのようにして始まったか。戦争や政治、ドーピングなど、オリンピックが抱えるさまざまな問題点とは何か。女性やプロの選手は参加することができなかったという、現在では意外に思う規定がどのようにして変わったのか。そんな知られざるオリンピックの歴史が本書には詰まっています。　



　オリンピック終了後にその開催都市で行われているパラリンピックとは、身体障害者を対象とした最大規模の国際競技大会です。今回は3月12日から21日にかけてバンクーバーで第10回パラリンピックが行われます。パラリンピックで行われる競技には特殊なスポーツはなく、スキーやカーリングにそれぞれの障害にあわせてルールが少し変えられているだけです。
  障害は遠い存在ではありません。事故や老いなどによって、みなさんや周囲の人にも可能性がある身近なものです。パラリンピックや本書をきっかけにして、障害について考えてみてはいかがでしょうか。