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2014年 福岡女子大学 理事長?学長からの年頭の挨拶
2014年 福岡女子大学 理事長?学長からの年頭の挨拶
-質の良い教育?研究を目指して-

 福岡女子大学の教職員の皆さん、輝かしい新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。2011年(平成23年)に、国際文理学部の1学部3学科制の新教育体制に全面的に組織替えして早くも3年が経過し、今年が学部の完成の年となります。2014年(平成26年)が、福岡女子大学が全国区の公立の女子大学として目に見える存在感と、国際教育力とブランド力を備えた大学となるよう、教職員一人一人の努力をお願い致します。

 2012年12月26日に発足した安倍内閣は、金融大幅緩和とそれによる円安と輸出増加の誘導及び財政政策により一応成果を挙げ、さらに成長戦略の三つの矢を使った景気刺激対策で、長い間の日本の政治?経済的閉塞感を少し上向きに改善させたことは良かったと思います。8%の消費税決定も、その使い道を誤れば生活格差の広がりに直接繋がるでしょう。政府?内閣も、特定秘密保護法やNSCの国内問題とTPP問題や近隣国との外交に関しても落とし所を見つけるのに苦労しているようです。うれしいニュースとして「2020年の東京オリンピック開催」の決定があります。昨年9月7日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれたオリンピック最終選考会で、日本の関係者の方々のプレゼンテーションは素晴らしく、個人の努力は勿論でしょうが、プレゼンテーションの仕方をプロに習った結果だとすると準備作戦の勝利の賜物と感心しました。

 福岡女子大学は、1923年(大正12年)に我が国最初の公立女子専門学校として設立された「福岡県立女子専門学校」が前身であり、設立以来、「次代の女性リーダーを育成」を建学の精神とし、女子教育の先駆者として数多くの優秀な女性リーダーを輩出し、社会に大きく貢献してきました。その伝統を未来につなぐため、2011年(平成23年)には、新しい時代にふさわしい、より魅力ある大学になることを目指して、それまでの学部?学科を再編し、国際文理学部を開設しました。

 本学の使命は、時代や社会の変化に対応できる豊かな知識と確かな判断力とさらにしなやかな適応力を持ち、アジアや世界の視点に立って、国内はもとより、海外の国や地域において、より良い社会づくりに貢献することのできる女性リーダーを育成することにあります。換言すると、福岡女子大学の使命は、「女性が国際的な感性を持ち、リーダーとして活躍することを支援する」と「地域?社会の学術?文化?生活の発展に中心的な役割を果たす」ことであります。この使命を果たしていくため、社会の変化やニーズに対応した国際性とリベラルアーツを重視した特色ある教育研究や地域への貢献活動等を展開することに教職員が積極的に行動し、学生は福岡女子大学の一員であることに誇りをもち、社会から高く評価される大学づくりに教職員?学生一同、全力で取り組まなければなりません。


 2014年度で実施?達成すべき重要項目について解説しましょう。

1. 福岡女子大学の使命(University Identity)の確立
 今年は、1923年(大正12年)に福岡県立女子専門学校が開校して91年、1950年(昭和25年)に福岡県立福岡女子大学が開学して64年になります。建学の精神は、「次代の女性リーダーを育成」であり、福岡女子大学のビジョンとして、「女性が高い志と柔軟な発想力を持ち、リーダーシップを発揮し、世界を舞台に活躍できる社会を目指す」と、大学のミッションとして、「①女性が国際的感性を持ち、主体的に活躍することを支援すると、②地域?社会の学術?文化?生活の発展に中心的役割を果たす」と決められております。また、福岡女子大学の教育の理念として、「時代や社会の変化に柔軟に対応できる豊かな知識と確かな判断力、しなやかな適応力を持ち、アジアや世界の頂点にたって、国内はもとより、海外の国や地域において、より良い社会づくりに貢献することのできる人材を育成する。」と定めています。しかし、「建学の精神」を始めとして「大学のビジョン」、「大学のミッション」と「教育の理念」を福岡女子大学としてきちんと議論し、定めたという記録は過去にありません。今年初めには、福岡女子大学の委員会で「建学の精神」から「教育の理念」さらには「シンボルマーク」「教育憲章」「教職員の行動指針」を議論し、大学として正式に定め、社会へ発信すると同時に教職員?学生に周知します。新しいロゴは、「福岡県立女子専門学校」と「福岡県立福岡女子大学」の精神を生かし、2011年(平成23年)に新たに発足した「福岡女子大学国際文理学部」にふさわしいなでしこ模様のデザインとなっています。今後、福岡女子大学の封筒、名刺には、正式な統一シンボルマークを使用していただきます。個人的に作製されたロゴの勝手な使用は、福岡女子大学の組織として一体感に欠け、社会から見ても統一制を欠くものです。

2. 教育?研究の質の向上
 福岡女子大学は、2006年(平成18年)に独立行政法人?公立大学法人となり、2011年(平成23年)4月から教育体制の抜本的改組により、国際文理学部のみの1学部3学科の教育組織となりました。「国際的感性とリーダーシップを兼ね備え、国際的に活躍できる人材育成」と「地域?社会の学術?文化?生活の発展に貢献する人材育成」を教育理念として強い使命感と責任を持って、教職員一同、国際教育力とブランド力向上に頑張ってきました。福岡女子大学の存在感と知名度向上に教職員が一丸となって努力された結果、福岡女子大学は近年、地方区から全国区に変化しつつあり、入学生の学問的レベルも徐々に高くなっております。今後は、教育?研究の量だけでなくあらゆる面で質の向上が求められる段階に達しつつあります。2014年度(平成26年度)は国際文理学部完成の年であり、さらに大学院教育を制度化し、福岡女子大学の高等教育の組織の深化と充実をきちんと社会に示す年でもあります。教育?研究の質の向上のためにも、次に掲げる「1~6」を、学内で充分議論し、実行することが不可欠です。

1)学生の指導に国内でトップを目指す大学作り。
 これを実現するためには、教員は学生の目線に立った教育指導を行わなければなりません。教育内容の密度の向上、外国留学の機会の拡大などを目指した教育制度としてクォーター制度(4学期制)の導入も学内で徹底的に議論して欲しいと思います。

2)JASSOの支援拡大に基づく海外校との提携の強化と留学生数の拡大。
 2013年度はJASSOに申請していた学生の長?短期留学と外国提携大学からの留学生受入れに対して、全ての申請が採択されました。そのため、留学生送り出しと受入れが、近年最も充実しました。二段階留学の第一段となる短期の「気づき留学」により福岡女子大学の学生が最終的に長期留学に向けて何を準備すべきか理解し、国際的に飛躍してほしいと願っています。

3)大学院教育制度の確立。
 国際文理学部は学年進行により、2014年度(平成26年度)で学部が完成します。そこで、2015年(平成27年)4月より大学院博士前期課程、2017年(平成29年)4月より博士後期課程を開設しなければなりません。近年、文部科学省の大型プロジェクトの申請にも大学院後期課程に関するものも多く、大学院博士前?後期課程のある大学しか、高等教育の保証された大学として見なされない時代になってきました。現在、福岡女子大学の大学院設置準備会が文科省の担当部署と相談し、2015年4月の大学院前期課程の開設に向けて検討?準備しています。

4)大型プロジェクトの獲得と教職員の国際体験の充実。
 文部科学省支援で(独)科学技術振興機構(JST)が行っている、平成25年度科学技術人材育成費補助事業「女性研究者研究活動支援事業」の大型プロジェクトに福岡女子大学は採択されました。本事業の目的は、(1) 教育?研究?大学運営を牽引する女性研究者の育成と、(2) 女性研究者の裾野拡大(次代の女性研究者の育成)です。この事業を推進?実行するために福岡女子大学内に女性研究者支援室を新設し、特定プロジェクト教員(教授)を配置しました。福岡女子大学の国際的教育力の向上と国際交流活性化のためには、教職員に外国滞在経験を積ませることも大切です。この事業を有効に実行するために、福岡女子大学同窓会(筑紫海会)との共同事業として、毎年2名の女性教職員が3ヶ月程度外国で日常生活と学術活動の経験を重ね、今後の福岡女子大学の国際化教育と国際交流事業で活躍して欲しいと思っています。

5)留学生支援の再構築。
 2011年度(平成23年度)の福岡女子大学の新教育制度、国際文理学部のスタートを祝い、目に見える国際交流の活性化が実現するよう、(1) 正規留学生の入学金免除と、(2) 非正規のThe World of Japanese Contemporary Culture Program(WJC)学生への日本文化教育に、県より多大な財政的支援を受けています。これらの支援は、福岡女子大学の国際化教育の担保と国際化イメージの確立に不可欠な財政的支援であり、女子大の国内外での存在感の構築に計りしれない程の効果を発揮しています。将来の女子大の発展を見越したこれらの思慮深い県からの支援は、2014年度(平成26年度)が最後であることがスタート時に決まっていました。しかし、福岡女子大学の国際化教育の確立と国際的存在感の継続にはもう少し時間を必要とします。正規留学生の教育の充実とWJC学生の新しい大学院前期課程への進学への道を開くという、国際化に向けた福岡女子大学側からの新しい提案を県の関係者に説明し、2014年には、継続的支援を確立したいと願っています。

6)キャンパスの再整備。
 2012年度から始まったキャンパス再整備は、建物のほぼ95%を建て替え、2017年度(平成29年度)に終了の予定です。キャンパス再整備計画は建物の再構築だけを意味するものではなく、大学運営、教育?研究、国際交流、地域社会との連携、さらに教職員意識の改善も含めた大掛かりな再整備計画です。2014年(平成26年)3月には第1期整備の研究棟2棟、図書館、体育館と地域連携のためのイクステンション?ルームが完成し、4月より運用が始まります。この機会に、福岡女子大学で最も見劣りのする精神文化の充実にも努めたいと思っています。大学創設91周年といいながら、福岡女子大学にはほとんど精神文化のための学術的文書?収蔵品等の遺産は全くありませんし、積み上げられた文化遺産も何もありません。新設の図書館、イクステンション?ルームには同窓会卒業生を始め、篤志家の支援による絵画等を展示?保存することにより、教職員?学生に心にゆとりを持ってもらいたいと思っています。これらの文化遺産を地域住民の方々へ公開し、新しいキャンパス整備地区が大学関係者と地域住民や近隣高校生との連携の場所になることを願っています。


3.同窓会との連携
 大学と同窓会の絆が強く、同窓会の大学への支援が大きい程、良い大学となると言われています。2011年(平成23年)に私が福岡女子大学の理事長?学長となって以来、次に掲げるような同窓会との連携を図ってきました。1)ホームカミングデー(開学記念日)の設定、2)大学重要行事に同窓生を招待、3)福岡女子大学100周年事業スタート、4)福岡女子大学-同窓会-学生連携プロジェクトの実施です。近年、同窓会組織から大学?学生に対し多大な支援をいただいています。上記2-4)で述べましたように、2013年度(平成25年度)より福岡女子大学は、文部科学省の大型事業の一つである「女性研究者研究活動支援事業」に採択されています。この事業の目玉の一つに、女性研究者を中心とした女性教職員が、海外で日常生活と学術的活動を自ら計画し実行することにより国際的感性を積むということがあります。この事業の推進は、(独)科学技術振興機構の支援金でまかなわれますが、女性教職員の海外派遣?生活費の補助ために同窓会にも多大な支援をお願いしています。さらに、大学-同窓会-学生連携プロジェクトとして、福岡女子大学がどのような国際協力?貢献ができるのか、研修?講演会も含めて上記三者連携で可能性を検討しています。福岡女子大学100周年事業の一環として、目に見える形の国際貢献事業が早く実現することを願っています。



平成26年 元旦
公立大学法人 福岡女子大学
理事長?学長 梶山千里