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開催報告

地域共創論 ゲストスピーカーシリーズ Vol.2開催しました!

「地域共創論」(1.2年生対象 湯田ミノリ先生担当)のゲストスピーカーシリーズ、今年度第2回目が開催されました。

今回は、ゲストスピーカーに前田剛さん(長崎県対馬市しまづくり推進部 市民協働?交通対策課 主任)をお迎えし、過疎地域と化した対馬の現状、また行政として取り組んでいること、さらに地域興し、島興しにおいて大切なことについてなどをお話しいただきました。


対馬市しまづくり推進部としてお仕事をされている前田さんは、対馬に移り住んで約13年ほどだそうです。対馬は日本有数の漁場であり、渡り鳥の聖地となっている他、国内で38年ぶりにカワウソが生息確認されるなど自然も豊かな場所なのだそうです。また、韓国とも近いため日本と朝鮮の文化が融合しているところでもあり、近年は韓国からの観光客も年々増加しているなど動物、植物、観光資源に恵まれているところが対馬の魅力の一つだだとお聞きしました。


しかし、日本全国の人口に対する高齢化率の平均が27.3%(2016)に対して、対馬は47.5%と非常に高齢化が進んでいる地域の一つです。前田さんが示してくださった対馬の人口のデータを見ると、若年人口や労働人口が非常に少なく高齢人口が顕著に多いという印象でした。そのため、将来を担う若者が少ない街に税金をかけてインフラを整備する必要があるのかという意見が出る他、行政自体も将来対馬がどんな状態になるかも予想がつかず、かつ目前の問題の対処に追われて先のことを対策するのに時間が割けないという問題を抱えているそうです。


対馬では人が島の外に転出してしまうことによる「人の空洞化」、人口減少によって自然の手入れ不足による「土地の空洞化」、またどうせ私が動いたところで…のように地域の問題への無関心、無気力、無責任が蔓延し自分ごととして考えていたものも他人事として考えてしまうような「むらの空洞化」が起こっています。さらに、せっかく若い世代が対馬で育っても親の世代が「島へは帰ってくるな」と諭すこともあり、地域への誇りも薄れることで「誇りの空洞化」が発生し高校卒業後99%の割合で若者は島を出て行ってしまうという現状も教えてくださいました。


対馬の抱える様々な問題を解決するには、解決案を考えるにも、解決策を教えるにも、行動を移すにも「人」が不足しています。
今の現状にしょうがないと諦めの感情を持っている住民に対しては、こうして行こう、こうなりたいという希望や夢を持つプラスの感情にする所まで持っていくことから始めなければなりません。
さらに、ただ口を出すだけでなく実際に行動し、その事業を持続可能なものへと確立させていく必要があります。

そのためにも対馬市主体で行っている、島おこし実践塾や学術研究の支援、対馬学フォーラムなどを含めた「域学連携」事業。また学生受け入れや対馬の子供と他県からのボランティア大学生との交流を行うこども未来塾などを含む「島おこし協働隊」事業を通して対馬に刺激を与え、活性化を図る人材を増やす一環として外部人材の教育にも力を入れているそうです。様々な事業により、近年は大学生のインターンシップやボランティアとして対馬を訪れる学生や、一度活動できたことをきっかけにリピーターとして対馬を訪れるもしくは移住する学生。また、豊かな自然や漁場があることから研究者などが移住するというケースも増えているということをお話くださいました。

ただ一言で、対馬は過疎化が進んでいると言っても細かく地域に分けて分析するとその中でも都市化が進んでいる所もあれば深刻な過疎化が進んでいる地域もあります。そのため、対馬全体に過疎化を解消する対策を打っても両地域にもマイナスにしかならないというお話が印象的でした。だからこそ、データなどで俯瞰的に見るだけでなく現地を訪れ、そこに住む方から直接ヒアリングを行うことで生の声を生かした対策案を考えることが大切なのだと改めて学ぶことができました。
地域の問題を知り、いかに解決するかを考え、実行し、反省点を生かしてさらに行動を起こすには最低でも1ヶ月は必要だと前田さんはおっしゃっていました。地域おこしのインターンシップにしろ、他のインターンシップにしろこのことは共通することだと思います。
今回のお話を踏まえて、対馬でのインターンシップや、町おこしのインターンシップ、さらに長期で活動するインターンシップへの興味が湧いた学生も多いのではないかと感じます。
開催日 2017年10月24日(火) 
開催時間 10:30-12:00
開催場所 C302
対象者 地域共創論履修者、体験学習、インターンシップに興味のある方ならどなたでも
「地域共創論」(1.2年生対象 湯田ミノリ先生担当)のゲストスピーカーシリーズ、今年度第2回目は
前田剛さん(長崎県対馬市しまづくり推進部 市民協働?交通対策課 主任)をお迎えします。

 日本の各地で起きている人口の流出と住民の高齢化、地域の過疎化をいち早く経験してきた長崎県対馬市。そうした、過疎化の進む地域の課題や、自治体がその解決の一環として行っている事業や活動について、実際に地域で行われている例を交えてお話していただきます。
 また、対馬市で行っている長期のインターンシップのプログラムや、そこでどのようなことが経験できるのかもご紹介していただきます。

ゲストスピーカーシリーズの回は履修していない方も聴講できますので、地域の問題、地域活性化などに
興味のある方は是非お越しください。

地域共創論 ゲストスピーカーシリーズ Vol.2
日時:10月24日(火)10:30 - 12:00
場所:福岡女子大学 C302
ゲストスピーカー:前田剛さん(長崎県対馬市しまづくり推進部 市民協働?交通対策課 主任)
対象:地域共創論履修者、地域の課題解決、体験学習、インターンシップに関心のある方はどなたでも

お問い合わせ:福岡女子大学 AP推進室
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